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【書評】2018年までのマンション戦略バイブル

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一般的にマイホームの購入を検討する際、終の棲家としてできるだけ長く住み続けることができる家を探す。

そのため、住み慣れた土地や個人的な趣向を重視し「身の丈に合った」金額の物件を購入する人が大半なはずだ。周りで家を買った人はみなそんな感じだし、そこに将来的な資産価値の多寡はあまり重視されないように思える。

事実、土地を買えばどんどん価値が上がっていく、そんな話が現実であった時代はそれで良かったのかもしれない。

しかし、深刻な人口減少、長引く不景気でそのような「神話」が崩れさった昨今においては、「資産性の高いマンションを見極めてマイホームを購入し、資産性が下がらないうちに住み替え、キャピタルゲインを得る」マイホームによる資産運用を視野に入れた戦略の重要性が高まっている。

この本は首都圏でのマイホーム購入を予定している人達を対象として、「将来の資産価値を最大限考慮したマイホーム購入戦略」にフォーカスを当てている。

筆者は、アベノミクスと日銀の異次元金融緩和により、少なくとも2018年の東京オリンピックまでは不動産価格は上昇するとしつつも、東日本大震災による資材高騰を背景に、新築マンションの不動産価格は既に相場以上となっており、「今は新築のマンションの買いどきではない」としている。なお、東京オリンピックの後はどうなるかわからないようだ。(個人的にはそこからもう一歩踏み込んで欲しかったが)

資産性の面では、富裕層の節税対策という側面も後押しして、都内一等地のタワーマンションが最も資産性が高く、戸建ては論外という論調である。また、少し背伸びしてでも(つまり、親から借りたり、レバレッジをかけて多額のローンを組んででも)より資産価値が高いマンションを購入するべきというのが筆者の主張である。

面白いと思った点として、北向きのタワーマンションの部屋は比較的安値で購入できること、夜の眺望を彩るビルが北に集中しているなどの側面から実は資産価値が下がりにくいこと、夫婦共働きであれば日中の日当たりを考慮する必要性は低いこと、などを理由に意外にも敬遠されがちな北向きの部屋に投資価値があるという話は参考になった。

ライフステージに合わせて住居を変えていくというスタイルが日本人に馴染むのかは分からないが、どのような姿勢で将来価値の高い物件を選ぶべきか、資産価値をどのように測るべきかなど、他の不動産関連の書籍にはない示唆が多く盛り込まれており(自社サービスの宣伝も多いのでその点差し引く必要はあるが)、今後のマイホーム選びに役立ちそうだ。

2018年までのマンション戦略バイブル

2018年までのマンション戦略バイブル