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「3番サード西岡剛」の選択は正しいのか

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オープン戦も終わり、あとは開幕を残すだけとなった2015年の阪神タイガース。そんな中にわかに周囲を騒がしている話題がある。

「3番サード西岡」という和田監督の選択だ。

阪神和田監督決めた 新打線の3番はやっぱり西岡 - 野球 : 日刊スポーツ
3番・西岡「いい感じ」快振H!虎のキーマン復調見えた! (サンケイスポーツ) - Yahoo!ニュース
阪神西岡快音でひと“安”心 開幕3番へ上昇ムード - 野球 : 日刊スポーツ

打順だけでこれだけ話題に上がることはなかなかない。逆に言えば、それだけ話題性があるということだ。3番鳥谷、4番ゴメス、5番マートンの打順で昨年成功したことを考えると、かなりリスクの高い選択であるといえる。

「1番鳥谷」は和田監督が実現したいこだわりの打順

3番西岡を論じる前に、まずはなぜ、昨年3番で結果を残した鳥谷を外す必要があるのかについて考えてみたい。おそらく、「1番鳥谷」は和田監督が最もこだわりのある打順であるからであろう。それは、昨年の開幕時も1番は鳥谷が務めていることからもわかる(ちなみに3番は西岡)。

2014年開幕オーダー

1鳥谷(遊)
2大和(中)
3西岡(二)
4ゴメス(一)
5マートン(左)
6今成(三)
7福留(右)
8清水(捕)
9能見 (投)

 また、

【野球】和田監督「来季鳥谷1番、福留3番」 
和田監督「セイバー的に鳥谷1番が最善」 | プロ野球いろいろ速報

など、1番鳥谷に対する和田監督の並々ならぬこだわりが伺える。おそらく出塁率の高さから、3番に置くより、1番に置いたほうが得点機会が増えると踏んだのだろう。

たしかに、1、2番でチャンスを作ったあとに鳥谷がフォワボールで歩き、新井やゴメスでダブルプレーというシーンは数多く見てきただけに、信ぴょう性はあるように思える。

 

セイバーメトリクス的に西岡3番は正しいのか

阪神タイガースをセイバーメトリクスの観点で記した書籍がある。 

 

本当は強い阪神タイガース: 戦力・戦略データ徹底分析 (ちくま新書)

本当は強い阪神タイガース: 戦力・戦略データ徹底分析 (ちくま新書)

 

 

本書によれば、「最強打者は2番or4番に配置」、「1番、3番は出塁を重視、2番・4番は出塁に加え、長打を重視」、「1番に足の速い選手を置く必要はない」のが正しいとのこと。

これに則ると、「3番西岡」の配置はあまり正しくない。200安打を放ったロッテ時代ならまだしも、出塁率はそれほど高くはないし(低くもない)、少なくとも阪神に移籍後本塁打を4本しか打っていない西岡を3番に据えるというのは論理的ではない。

仮に、現阪神の最強打者をマートンと仮定すると、以下の打順がベストであり、上位打線に西岡は不適のように思える。

1上本  ←出塁率チーム4位
2マートン←出塁率、ホームラン、打点チーム2位
3鳥谷  ←出塁率チーム1位
4ゴメス ←出塁率チーム3位、ホームラン、打点1位

ちなみに、本書では2013年時点での最も得点期待値が高い打順として、「鳥谷、福留新井良、西岡、新井貴、マートン、大和、藤井」としている。

セイバーだけでは語れないのが野球の醍醐味

しかし、セイバーメトリクス通りに打者を配置するだけで優勝できるのであれば苦労はしない。
 
マネーボールで有名なあのアスレチックスもワールドシリーズ制覇はしていない。(マネーボールは面白い映画だけど)
 
日本でも好事例がある。けしてパワーヒッターとは言えないサブローが、監督が代わっても長年4番を務め、何度も優勝に貢献しているのだ。また、楽天を日本一に導いたときの3番を務めた銀次のホームランは4本である。
 
こうした事例を見るに、西岡の3番が失敗すると決めつけるのは早計だ。メンタルが強く、左右を気にしないスイッチヒッターは西岡の強み。昨年の挫折を踏み台に新たな3番像を描いてほしい 

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