開幕前の下馬評は何処へやら。昨日も黒田に抑えられ、まさかの新井貴にも打たれ、ついに広島と同率最下位に転落したタイガース。
セリーグ最低のチーム打率（.223）、チーム防御率（4.46）ではどうしようもないわけだが、今年のタイガースはセンターが固定されていないこともひとつの問題点。
強いチームは、捕手、ショート、セカンド、センターのいわゆる「センターライン」が固定されているもの。今年のタイガースはこれまで大和、江越、俊介らがセンターのスタメンとして起用されてきたが、一体誰が適任なのか。というわけで、私の独断と偏見でタイガースのセンターを評価してみた。
阪神タイガースのセンターの適任者は誰？
候補1:大和（28）（右投げ右打ち）
走塁★★★
守備★★★★★
総合★★★
【評価】昨年はゴールデングラブを獲得。守備でお金を払える選手。バッティングは好不調の波が激しく長打は期待できない。今年は8番に降格したがバッティング不調でスタメンから外れることもしばしば。犠打はそこそこ上手い方（昨年セリーグ最多犠打）。足は速いが盗塁は下手。
2014年成績 121試合 .264(398-105) 本塁打1 打点24 盗塁11 犠打50
2015年成績 10試合 .179(28-5) 本塁打0 打点2 盗塁0 犠打0
候補2:江越（22）（右投げ右打ち）
打撃★★
走塁★★★
守備★
総合★★
【評価】期待の新人ルーキー。パンチ力と強肩を買われ、ルーキー野手では唯一開幕一軍の座を手にした。バッティングが課題で守備走塁は安定しているとの触書だったが、蓋を空けてみると、オープン戦から守備のミスが目立つ。後逸や目測誤りが多く残念ながら一軍レベルではない。肩は素晴らしいので今後の成長に期待。
2014年成績 なし
2015年成績 4試合 .091(11-1) 本塁打0 打点0 盗塁0 犠打0
候補3:俊介（28）（右投げ右打ち）
打撃★★
走塁★★★
守備★★★★
総合★★★
【評価】毎試合100試合前後出場しそれなりに結果を残すが、一年通してレギュラーを張った経験はない。打撃、守備、走塁いずれもそつなくこなすが、これといった強みがないとも言える。今年は期せずして横並びでセンターの競争となっているため、ここで結果を残せれば一気にレギュラーの座を奪い取ることができる。
2014年成績 87試合 .206(102-21) 本塁打1 打点6 盗塁2 犠打6
2015年成績 7試合 .143(28-1) 本塁打0 打点0 盗塁0 犠打2
候補4:狩野（33）（右投げ右打ち）
打撃★★★
走塁★★
守備★★
総合★★
【評価】2軍から昇格してすぐ活躍するイメージが強い狩野。今年は早くも1軍に帯同している。福原、関本に次ぐ阪神では生え抜き3番目のベテランとなった。ヘルニアをやってから守備は期待できないがバッティングはセンター候補の中では一番良いかもしれない。
2014年成績 12試合 .292(24-7) 本塁打1 打点5 盗塁0 犠打1
2015年成績 5試合 .333(6-2) 本塁打0 打点0 盗塁0 犠打0
候補5:伊藤隼（26）（右投げ左打ち）
打撃★★★
走塁★★
守備★
総合★★
【評価】阪神外野手陣の中では数少ない左打ち。昨年は福留の代わりに起用され安定した成績は残したものの、守備が上手くないのが致命的。実働3年のUZRも最低クラスの指標であり、この守備ではとてもスタメンは任せられないのが現状。今年は2軍スタートながら現在のウエスタンリーグ打点王（4月11日時点）。左の代打が不足していることからいずれ声はかかるはず。
2014年成績 52試合 .294(119-35) 本塁打2 打点12 盗塁1 犠打1
2015年成績 なし
まとめ
守備走塁の貢献度を加味すると、バッティングに目をつむっても大和を起用すべきであるというのが私論である。
最近は俊介が重用されているが、これまでの実績から大和と俊介の打撃成績は大差なく、レフトに守備が苦手なマートンを配置することに加え、広大な甲子園を本拠地とする以上、守備が良い大和を起用すべきではないか。狩野も守備を考慮するとスタメン起用はリスクが高い。
また、現段階で江越の守備は一軍レベルにはなく、本来であれば二軍で経験を積むべきではないか。その代わりに不足する左打ちの控えとして伊藤隼を昇格させたほうが良いかもしれない。
今年のタイガースは投手陣特に先発陣が充実（？）しており、どちらかというと守備重視のチーム編成である。貧打にあえぐ阪神であるが、「守備と走塁に不調なし」の格言通り、ここは大和のスタメン起用を推してみたい。
