はてぶでは英語のエントリが相変わらず人気だ。
私もここにきてグローバル案件にアサインされる機会が増えてきたので、勉強を再開している。以前、英語上達完全マップに則って勉強していた時期があったのだが、意外に具体的なステップを記載したブログ記事が少ないような気がしていて、年末で時間もあることだし、2016年こそは英語をやろう!と思っている方もいると思うので、まとめてみる。
自己紹介
私の英語力はTOEIC865点。簡単な英会話であればこなせるが、気の利いたことは言えない。まあ、よくいる「それなりに英語はできて仕事ではあまり支障はないものの、字幕なしでは映画や海外ドラマは理解できないし、ネイティブとの会話はついていけない」中級者レベルといったところ。今はひたすら瞬間英作文とオンライン英会話でコミュニケーションスキルを磨き中。
TOEICについて
私自身、英語でのコミュニケーションはまだまだではある。とはいえ、TOEICに限っていえば、スコアが860点を超えていれば(実際にできるかどうかはおいておいて)、日本企業では英語ができる人扱いされるだろうし、履歴書にも一応書けると思うので、部署異動や転職においてそれなりに意味はある。
実際に私も20代も後半に差し掛かったときに「このままドメスティックな仕事をしていてよいのだろうか」と思いたち、3ヶ月でTOEICスコアを590→865にアップさせて、英語に関して「泊」をつけてから、グローバルPJが多い部署に社内公募で手を挙げ、異動することができたし、ソフトバンクではTOEIC900点取得者には100万円の報奨金(羨ましい!)が出るらしい。
英語上達完全マップについて
個人的には、英語上達完全マップは英語の勉強方法を体系化し、進むべきロードマップを明確にした点で評価できると思う。
巷にあふれる英語勉強方法の中で何を信じてやれば良いのかわからない人にとって、このやり方に沿って勉強すれば「ある程度」のレベルまで到達するのは間違いないし私もその一人だ。ただ、勉強を始める前に理解しておいておくべきは「英語に近道はなく、愚直な努力が必要とされる」ということ。これは脅しでもなんでもなく、そういうことなのだ。スポーツや楽器を使いこなせるようになるのと同じ論理である。
例えば、英語上達完全マップを使った英語学習でもっとも有名な
の著者はTOEIC300点→890点を獲得するまでに1,500時間を費やしているという。1,500時間と言えば、毎日3時間勉強しても500日、5時間勉強しても300日という気が遠くなりそうな長さであるが、やはり時間がかかるのは事実であると思う。
私の場合は3ヶ月で3ヶ月でTOEIC590点→865点に到達したが、その際費やした時間は300時間程度である。これは英語上達完全マップ+TOEICに特化した勉強を行ったためであるので、実際にネイティブとのコミュニケーションで使える英語かどうかでいうと、完全に「使えない英語」であることは念頭に入れておかなければならないが、とにかくTOEICのスコアを上げたい!という人にとっては効果的かつそれなりに費用対効果の高いものであると思う。
スケジュール
英語学習も仕事と同じ要領でやるのが良い。つまり、ゴールとスケジュールを引いてタスクを明確にするのだ。そうしないと、必ずだれてしまい、甘えが出て、最後にあきらめてしまって勉強を投げ出してしまうからだ。
私の場合は3ヶ月後のTOEICテストをゴールに1日3時間、1ヶ月100時間、3ヶ月300時間でやれることを明確にした。勉強時間については、毎朝5時から3時間、毎日かかさずにすることを日課にしていたが、当然、飲み会や仕事によってぶれはあるので、日々のスケジュールに遅延が発生した場合は休日で挽回することにしていた。(当時は20時には帰れていたたため、こうした勉強法がとれていた)
英語上達完全マップは大きく
短文暗唱=瞬間英作文
文法
音読パッケージ
精読
多読
ボキャビル
リスニング
に分かれている。すべてを同時並行ですすめるのは難しいし、TOEICに特化した勉強も行わなければならないので、私の場合は、短文暗唱=瞬間英作文、文法、音読パッケージ、ボキャビルのみに専念して200時間、残りの100時間をTOEICに特化した勉強を行うことにした。逆に言えば、精読、多読、リスニングは捨てたとも言える。
精読、多読、リスニングを捨てた理由としては、時間が限られていたということもあるが、精読、多読に関してはTOEICの過去問を沢山解くことで同時にスキルアップできるだろうという想定があったのと、リスニングに関してはTOEICに特化した勉強をしたほうが効果的であると思ったからだ。それは、Duoや音読パッケージで嫌というほど音読を行うことで、結果的にTOEICレベルであればほぼ理解出来るだけの力はついていると感じていたためでもある。
次に個別の学習方法を説明する。(ちなみに2013年の話です。あしからず)
1ヶ月目(2013年7月:98時間)
■短文暗唱=瞬間英作文(35時間)
私が英語上達完全マップで最も感銘を受けたのが、この瞬間英作文である。ひたすら単純な英文を暗記していくという苦行であるが、これを乗り越えられるかどうかが、今後の英語学習にとって大きな分かれ道になると言っても過言ではない。これはTOEICどうのこうのというより、将来的な英会話を上達する上でも避けては通れない道であると思っている。
私はこれまで10冊前後の瞬間英作文をこなしているが、英会話で自分の言いたいことは「だいたい」言えるレベルまでには到達している。例文で言えば5000文以上は暗記していると思うが、例文を自分の引き出しから瞬時に引き出せるかどうかが英会話におけるキーポイントである。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)
- 作者: 森沢洋介
- 出版社/メーカー: ベレ出版
- 発売日: 2006/10/25
- メディア: 単行本
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瞬間英作文でまず手に取る書籍と言えばこれだろう。はじめは分からなさすぎて自分に失望するが、どうってことない。覚えれば良いのだ。はっきり言って英文が単調すぎて苦行であるが、逆に言えばこの程度の英文が言えなければどうしようもない。基礎練習と思って耐えて覚えましょう。
暗記したものとそうでないものをチェックする
■音読パッケージ(33時間)
みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング(CD BOOK)
- 作者: 森沢洋介
- 出版社/メーカー: ベレ出版
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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音読パッケージではじめに手に取る書籍と言えばこれだろう。音読、とくにシャドウイング (ネイティブスピーカーの直後にかぶせるように音読すること)は英語学習では必須であるが、久々に英語を勉強する人にとっては、音読自体が気恥ずかしいかもしれない。ただ、発音できなかったり英語はリスニングでも理解することができないので、しっかりシャドウイングできるまで口に出してトレーニングする必要がある。キーポイントはしっかりネイティブスピーカーの発音を真似ること。あと、たまに録音して自分の音読を聞いてみるのもおすすめ。とても残念な気持ちになるが、反面がんばろうという気が湧いてくる。
単語ではなく塊で発音するもの、文章の区切りをマーキングする
■発音(15時間)
- 作者: 松澤喜好
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2010/08/12
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英語上達完全マップ上発音自体は切りだされていないがあえて。英語を学ぶ上で発音は非常に大事である。発音がおかしければネイティブに通じないこともしばしばで、いまでも英会話の講師からよく発音を直される。また、リスニングを効果的に学ぶ上でも正しい発音を習得することが重要である。たとえばRとLの発音の違いなども本書で学ぶことが出来るし、いわゆる日本人英語から少し脱却することもできる。私は毎朝この発音を一通り通してから後続の音読パッケージを行っていた。
発音の書籍としてはこの英語耳かフォニックスの書籍が有名。
CDBフォニックス<発音>トレーニングBOOK (アスカカルチャー)
- 作者: ジュミック今井
- 出版社/メーカー: 明日香出版社
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■文法(30時間)
Next Stage 英文法・語法問題 3rd edition
- 作者: 瓜生豊,篠田重晃
- 出版社/メーカー: ピアソン桐原
- 発売日: 2011/11/09
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文法のやり直しにはNextStage(通称ネクステ)を使った。英文法の大御所といえばフォレストであるが、ネクステを選んだのは問題演習中心の構成なので通読だけではなく、能動的な学習ができると考えたため。ただ、若干難易度が高めなので注意。イディオムなども多く登場するが、文法理解と割りきってこれらの暗記は最低限でどんどんすすめるのもありかと。あとは一億人の英文法はとてもおすすめ。当時はこの本の存在をしらなかったのでやらなかったけど、文法をイメージで捉えられるような構成が素晴らしいと思う。今もよくわからなくない文法が登場したときなどは使っている。
問題演習形式なので学習のしやすさはあるが、すべてを暗記しようとすると時間はかかる
一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)
- 作者: 大西泰斗,ポール・マクベイ
- 出版社/メーカー: ナガセ
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また、各所で絶賛されている日本人の英語についても、一通り目を通すことをおすすめする。aとtheの使い分けや能動態、受動態、時制など、日本人には少し理解が難しい表現を丁寧に説明している。
2ヶ月目(2013年8月:111時間)
■短文暗唱=瞬間英作文(18時間)
- 作者: 森沢洋介,森沢弥生
- 出版社/メーカー: ベレ出版
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引き続き森沢氏の本書にて瞬間英作文を継続。しかし、今考えてみると本書はかなり文章が不自然かつ長くて、ちょっと実践的ではない。例えば「母親がその知らせを聞いて喜ぶだろうと思っていた少年は、彼女が怒るのを見て驚いた」など、無駄に修飾句が長く、いくらなんでも暗記するにはくどすぎる。というわけで、もし2冊目以降の瞬間英作文を学ぶなら以下の2冊をおすすめする。
- 作者: 妻鳥千鶴子
- 出版社/メーカー: ジェイ・リサーチ出版
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これらは比較的短めの文章で文法も学べるし、後者は比較的口語体の表現が多く、わりと実践的なものも多い。セットで暗記すれば結構英会話では話せるようになる。AwesomeとかWhat a shameとかはTOEIC的にはあまり使わないかもしれないけど。
■音読パッケージ(22時間)
音読パッケージについては一冊目のみるみる~が終わった後は、正直悩んだ。というのも後述するDuoで手一杯になってしまったから。とはいえ、音読が効果があるのはわかっていたので、少し難易度を上げてこれに取り組んだ。実は終わらせることができなかったのだが、最後までやり通せればかなり力はつくと思う。
■文法(25時間)
英語上達完全マップを10ヶ月やってみたを参考に3回通読。会話形式なので読みやすい。
ネクステ、実況中継とひととおりの文法を学んだ後、上記に取り組んだ。問題集が別冊になっていて比較的これは薄めの冊子なのだが、解説が驚くほど分厚い。780問あるが、すべて解説は読んだほうがよい。瞬間的に答えが出せるまで問題をひたすら解くことが重要。一日30問とか区切りをつけてやればそこまで時間はかからない。これをやりこめばTOEICの文法セクションはかなり楽になる。
問題集は薄い(右側)が、解説がかなり分厚い(左側)
■ボキャビル(46時間)
単語といえばDuo。必ずCDセットを買って音読しながら覚えるのが重要。瞬間英作文、音読パッケージ、ボキャビルが同時並行で進められる。Duoの単語自体はほぼ習得。Duoの勉強方法については調べれば沢山出てくるのでこれ以上は割愛。
3ヶ月目(2013年9月:100時間以上)
この月は翌月のTOEICに備えるため、TOEIC専用の学習に専念。
■ボキャビル(32時間)
Duoを日課として継続。
■文法(25時間)
TOEIC TEST 文法別問題集に加えて、TOEIC用の構文や頻出問題に備えるため、特急シリーズをやりこむ。ひたすら問題と答えを暗記。ある意味割り切りの世界なので楽。
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■過去問集など(学習時間数不明)
この月はとにかく過去問や想定問題集をやりこんで、TOEICの出題形式や時間配分に慣れる期間として、ひたすらやりこんだ。
やはり、公式の過去問題集ははずせない。
模擬テスト集として取り組んだのはこれ。
ちなみに自分のスコアは下記。精度高し。これより本番はスコアは下がったけれど。
1st L:440 R:430 T:870
2nd L:435 R:435 T:870
3rd L:465 R:425 T:890
リスニングセクション・リーディングセクションのトレーニングとしてはイクフンシリーズがボリュームがあって良かった。TOEICに慣れるためにひたすらやりこむ。
極めろ!リスニング解答力TOEIC TEST―韓国でシリーズ170万部突破!英語のカリスマ イ・イクフンのStep by Step講座
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解きまくれ!リスニングドリル―TOEIC TEST Part3&4 (イ・イクフンのStep by Step講座)
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その他下記のテキストもやったが、問題演習としてはボリューム的にもイクフンシリーズで十分かなと思う。内容には大差はないのでお好みで。
新TOEIC TESTリスニングスピードマスター―New Version対応
その他TIPS
時間の計測にはiPhoneのアプリa Time Loggerを使った。時間が見える化されると少しだけモチベーションの継続に繋がる。
まとめ
所詮TOEICはTOEICなので、良い点が取れたからといってビジネスで使えるわけではない。だってコミュニケーションのテストがないんだから。ただ、TOEICで良い点取れたからといって英語が出来るわけではないが、良い点取れなければ、確実に英語ができないのも事実。とりあえず、TOEICぐらいは良い点とれるようにしたほうが何かと良いかなとは思います。