先週はオンライン英会話で修行を積んだ私が、ロンドン出張で出来るようになったこと(基礎編)を紹介したが、今回はビジネスにおいてどのくらい出来るようになったかを書いてみたいと思う。
本題に入る前に
本題に入る前に、これまで私がやってきたことを列挙してみると大きく以下の3点に集約される。
-TOEICスコア865点取得(2年前に取得。勉強開始前は590点)
-瞬間英作文10冊
-オンライン英会話5000分受講
まずは、TOEICスコアAランク(860点以上)の取得を目標に勉強した。「TOEICスコアが良い→英語ができる」は必ずしも成り立たないが、「英語ができる→TOEICスコアが良い」は成り立つ。日本ではTOEICのスコアを取得することは就職・転職、社内評価などで色々と優位に働くし、基礎的な単語力や文法力はここで磨かれたと思う。
ただし注意したいのは、TOEICスコアが良いからと言っても、ビジネスレベルにはまったく到達していないこと。海外生活や留学未経験でこのアプローチを取った場合、そのことは誰よりも自分が理解しているはず。英語を勉強する目的は、「TOEICで良いスコアを取る」ことではなく、「英語でビジネスを推進する実力をつける」ことだ。
そこでTOEIC以降は真にビジネスで使える英語を学ぶことにした。多読やNHKラジオなどにチャレンジしたこともあったが長続きせず、最終的には瞬間英作文とオンライン英会話の2本柱に落ち着いた。
具体的な勉強方法は以下の記事に詳しく書いたのでご参考までに。
次に、実際にロンドン出張のミーティングで感じたことを記載していく。
1.事前準備がなくてもミーティングができるようになった
日本人と日本語でミーティングする場合は、アジェンダと資料を用意しておけば、誰でもそれなりにミーティングをファシリテートすることはできるだろう。それが英語となると話は別である。
英語に苦手意識がある人は、初めのつかみの挨拶から、スライドごとに英語のカンペを用意し、最後の締めの言葉に到るまで準備をしてミーティングに臨むことが多いのではないか。私もかつてはそうであった。
それが今回の出張では違った。
中学生レベルの文法と表現ではあるものの、事前準備をせずともミーティングを回せる様になっていた。
"Here is today's agenda. First of all, I'd like you to explain what is the purpose of today's meeting"(今日の議題はこれです。まずは今日のミーティングの目的をご説明します)
"Let's get started. ◯◯san, over to you"(それでは始めます。◯◯さん、お願いします)
"Let me confirm again, First,XXXX, Second,XXX, at last,XXX. Is it correct?"(ちょっと確認させてください。まず、XXXXで、次にXXXXで、最後にXXXXで、合っていますか?)
"I really appreciate for taking your time out of your busy schedule" (お忙しい中お時間を取っていただき本当にありがとうございました)
瞬間英作文で勉強したフレーズを引き出しから選び・繋ぎあわせ・言葉に出す。これらの一連のプロセスは、瞬間英作文のインプットと、オンライン英会話でのアウトプットの両輪を反復トレーニングすることで、本番でも活かすことができるということをまさに実感することができた。
ちなみに、ビジネスにおける瞬間英作文では以下の本のフレーズの暗記が大いに役立ったので紹介しておく。
ビジネス英会話は話題がそのビジネスと周辺領域に限定されるため、フリーカンバセーションより簡単だと言われる。そのため、ミーティングで使うフレーズをひと通り暗記しておけば、より本題に集中することができるため、かなりスムーズにミーティングを進めることができる。
2.英語の資料は自分で作ったほうが良い
これは何も英語に限った話ではないが、自分が使う資料は自分で用意したほうが良い。それが英語であれば尚更である。
今回の出張で使う資料は、まず「日本語で自分が用意→他の人に翻訳をお願いする」という方法を取っていた。しかし、この資料を使っていざ話そうとすると、自分の引き出しにある英語表現と、スライドの英語表現にところどころズレが生じ、うまく話すことができないところがあった。資料はなるべく自分で用意し、自分が話すシーンをイメージしながら作ることが良いプレゼンに繋がることを改めて認識した。
そのため、今は日本語で資料を作ることは基本的にしない。
そもそも日本語で作成すること自体が時間の無駄であるし、誰かに翻訳させるにしても、上記の通り認識に齟齬が生じる可能性があるためである。
また、英語の資料を作るときに引き出しとなるのは、ここでも瞬間英作文で暗記したフレーズ群である。
資料を英語で作るトレーニングを繰り返すことは、自分の引き出しの中にあるフレーズを有機的に組み合わせる作業と同義であり、飛躍的に自分の英語での資料作成能力を高めてくれる。
3.スムーズなディスカッションができなくても心がけることがある
相手がネイティブスピーカーの場合、スムーズなディスカッションはまだ難しいことも分かった。
ミーティング中、ディスカッションがヒートアップして、相手が話す速度が上がったときに、何度か言ってることを聞き返すことがあった。
そのときに注意することはひとつ。「分かったふりをしない」こと。
例えば、相手が話していることがあまり分からなかったとする。そのときに一番ダメなのが、「分かったふりをする」ことである。これは現地駐在の人にも何度も言われたことだ。
日本人の悪い癖なのかもしれないが、ミーティングを進めていく中で、曖昧な部分や、分からないことや、聞きたいことがあったときに質問せず、そのまま流してしまうことがある。
しかし、これはもっとも避けるべき行為と今回の出張では自分に言い聞かせて、分かるまで何度も質問した。
"Sorry, Can I ask you again?"
"Let me confirm again?"
このフレーズは出張の中で何度使ったか分からない。相手も自分が日本人で英語力が不十分であることは理解しているはず。ミーティングを価値あるものにするか、そうでないかは、お互いの主張を理解することから始まる。それができないようであればわざわざ高い出張費をかけて現地に良く必要はない。
4.最後に
私の中で劇的な変化を感じたのは、TOEICで良いスコアを取った時ではなく、今回の出張でイギリス人とコミュニケーションを取ることが出来た時である。
まだ映画は字幕なしでは理解出来ないし、ネイティブスピードの会話についていくことはできないが、私のようなアラサーでも、やり方を間違えなければ、英語はやればやるだけ確実に前進することができる。
私の最終目標はネイティブと英語でネゴシエーションできるようになることである。
それまで果てしない英語学習は続く。