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【書評】敗者のゲーム〈原著第6版〉

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ウォール街のランダム・ウォーカーと並んでインデックス投資のバイブルとして名高い本書。個人インデックス投資家として有名な水瀬氏によると、以下の点が新たに加えられたらしい。

 

米国債: なぜ、長期投資家にとってもはや安全ではないのか?
アクティブ運用: 手数料がこれまで以上に高騰。それだけの価値はあるのか?
投資運用業界: 彼らは巨額の利益を生み出すが、どれだけあなたに提供してる?
行動経済学: あなた自身を知れば、より良い投資家になれるだろう

『敗者のゲーム』とは

本書ではテニスを例に取り、「勝者のゲーム」と「敗者のゲーム」を論じている。

エキスパートたちのテニスでは勝者の行動(例えば正確で強力なショット)で勝利をつかむ。そして、一流のプレーヤーはめったにミスを犯さない。プロのテニスは勝つために行動することで結果がきまる「勝者のゲーム」である。

逆にアマチュアのテニスはこれとは全く異なる。ラリーといったものはほとんど見られず、ネットにかかったり、ラインの外に出たり、ダブルフォルトも多い。得点のほとんどは相手のミスによるものだ。つまり敗者がミスを重ねることによって決まる「敗者のゲーム」である。

そして、最近の市場は極めて優秀な機関投資家が多数占めるようになり、マネーゲームが「勝者のゲーム」から「敗者のゲーム」へと変わってしまったと述べている。今日のマネーゲームは無数の相手との競争にさらされており、優秀なファンドマネージャーが総体をなす市場で個人の投資家が「勝つ」のは難しくなってしまったという。

こうした状況下で「市場に勝つ」ために最も合理的なアクションは長期投資の明確な目標設定に集中し、その目的を実現するために現実的な投資政策、すなわち、インデックス投資を選択肢、自己規律を持って、忍耐強く、しっかり貫いていくことであると述べている。

世界は株高だが・・・

最近の株式市場は世界的な金融緩和とアメリカの好景気も相まって株高になっている。日本も例外ではなく、日経平均が19,000円に到達しようとしているし、ドル建ての日経平均も14年半振りの高値を付けた。

こうした状況下で、インデックス投資を続けるのが合理的なのかどうかは私にはもはや分からない。アメリカの利上げも近々実施されるだろうし、ギリシャ危機も先が読めない。

結局はあれこれ悩んでもしょうがなく、エリス氏が言うとおり、「単純で、透明性が高く、低コストで、課税上も有利なインデックスファンドで市場全体に投資する」ことが一番なんだろう。

敗者のゲーム〈原著第6版〉

敗者のゲーム〈原著第6版〉

 

 

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